元同僚と集い・青春期に戻る

「はて?誰?」と首をひねり「○○さん?」「そうです」「やっぱり!」一斉に拍手と笑いが起きた。

48年ぶりに再会した新年会の様子だ。

当時勤務していた毛織物会社は右肩上がりの業績で勢いがあった。

独身寮の朝食は新入社員の役割分担で“初めチョロチョロ中パッパ”は先輩から習った炊き方のコツだ。

だが初めて炊いたご飯は真っ黒になった。でも「お焦げもおいしいよ」と励まされた先輩の一言が脳裏に焼き付いている。

会社は繊維不況のあおりを受けて閉じたが、社是「積極進取・和協一致」の精神は参加者16人の心の中に生き続けていた。

“同じ釜の飯を食った仲”だから話は弾んだ。

まるで青春期にタイムスリップしてような不思議な空間になった。

楽しかった新年会の余韻がまだ残っている。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、24.1.23付け

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読書は心を耕す「くわ」

昨年は元旦から山本周五郎の作品を中心にじっくり読んだ。

長編の本を読むには忍耐力も必要で、投げ出したくなる時もありました。

老眼鏡をかけ。肩が凝らないように、姿勢を正して読書する姿は“老年期の格闘”のように見えるかもしれない。

詩人の言葉に「読書という“くわ”で、心の大地を耕した分だけ、豊かな人間性が養われ、豊穣な実りを手に入れることができる」とありました。

周五郎の作品は「人間は弱い、誰でも失敗や過ちはある。そういうとき互いに支え合うのが人間のよしみだ」と人間味が底流にあり親しみがわいた。

本年は元旦から加賀藩の歴史や三文豪の作品でスタートです。

本年も昨年と同じ50冊を目標に、体は老いても心は青年の気概で頑張ります。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、24.1.1付け

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コハクチョウ飛来に思う

15日の本紙に“冬の風物詩”邑知潟のコハクチョウの写真が掲載された。

コハクチョウは冬の使者だ。すてきな曲線と長い首の優美さもあって、白鳥にはエレガントで美しい鳥というイメージがある。

邑知潟は生態系の保全から白鳥の餌やりはしていない。

鳥インフルエンザ感染防止のため、餌付けを自粛している自治体もあるようだ。

水草などを食べる白鳥が大挙する飛来地の中には、湿田の環境が悪くなり、餌付けなしでは十分な栄養が確保できない所もあるという。

古くは、自然から得られる食料だけで白鳥は越冬できたろうに、人間の都合で不便をかけているような気がしてならない。

県が推奨する里山保全の運動の大切さを実感しています。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.12.20付け

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歴史に学ぶ・財政立て直し

池波正太郎作「真田騒動ー恩田木工」を読んだ。

江戸時代中期に信州・松代藩の財政建て直しに尽力した家老・恩田木工の改革の情熱と、揺るぎない信念を描いた名編である。

「嘘をつかぬこと、賄賂をやらぬこと、倹約につとめること」の誓いをたて、政治への信頼回復に取り組み財政窮乏の藩を建て直した。

現在、大手企業の巨額損失隠し、カジノ賭博、大手新聞社の内紛問題、議員のマルチ商法疑惑、政治資金の不明朗など連日マスコミを騒がせている。

恩田木工ならどれだけ嘆き悲しむことであろうか。

物語のラストに「おれ達の一生が、後ろに続く人々の一生を幸福にもするし、不幸にもする」とのつぶやきに、私たちの規範があるように思う。

歴史に学ぶことは多い。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.12.9付け

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コウバコガニの魅力発信したい

カニ漁が解禁になった。近江町市場の「安いよ!おいしいよ!」と威勢のいい掛け声は、冬へ向かう金沢の風物詩の一つになっている。

コウバコガニは庶民の味として金沢の食卓には欠かせない。

腹に抱くプチプチした食感の「外子」と甲羅の中にある赤い塊の「内子」がぎっしり詰まっているのが特徴だ。

たわしで汚れを落とし、塩を加え沸騰させた湯に腹を上にして入れる。再び沸騰したらできあがり。

解禁の日、三杯酢いただいたが「内子」と「外子」の濃厚な味は昔も今も変わらない。

先日、遠来の友にコウバコガニを馳走した時、そのうまさに感嘆し、安価な値段にまた驚いていた。

月末も名古屋から友がやって来る。コウバコの魅力を発信したいと思っている。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.11.17付け

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「筋と金」のよい関係築きたい

スポーツジムはエアロやヨガ・筋トレなど女性の人気は驚くばかりだ。

マスコミ等で介護予防の大切さや老後の健康づくりが言われ影響しているのか。

知人のN子さんは「ジムの月謝は、健康維持やストレス解消、病気の出費を考えれば安いものです」と健康長寿の大切さを語っていた。

体を鍛え「貯筋」して長く元気でいたい。いささかの出費も覚悟の上。

これを「筋と金のいい関係」と言って笑っていた。

孫たちを前にしてニンマリ「どうだい、この筋肉。恐れいったか」と、腕の力こぶを見せるのが楽しみという。

彼女は薬やサプリメントとは無縁で元気ハッラツだ。

私も“怠け心”にむちを打ってジムへ通っている。でも「貯筋」には程遠い。焦らず、慌てず、スローライフで取り組みたい。

北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.10.25付け

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「検定」で孫と一緒に金沢学ぶ

小学4年の孫息子から「ジュニアかなざわ検定に合格したよ!」と連絡があった。

彼とは夏休み期間中に金沢の歴史や文化などの質問を電話で受けていた。

「加賀藩って何?」「三文豪って誰?」という感じで遅遅として進まない。

そこで「特訓金沢検定」と掲げて、わが家で3泊4日のお泊り学習も行った。

試験後に彼から「できたよ!」と電話があった。でも心配になりネットで問題の答え合わせをした。

一緒に行った名所旧跡の見学や、学校で習得した地域行事・生活習慣などの基礎知識が功を奏したように感じた。

私も金沢検定に挑戦して故郷を学ぶ楽しさを知った。それが縁で今回、孫と共通の課題で楽しく勉強することができた。

まだ孫はいる。それぞれに故郷金沢の素晴らしさを伝えようと思っている。

   北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.10.8付け

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園児の姿に笑顔もらう

孫が通う幼稚園の「おじいちゃん、おばあちゃんをお招きする会」に参加した。

園内はお年寄りで超満員だった。ビデオを固定するプロ並みのおじいちゃんや慣れない手つきでデジカメを持つおばあちゃんが真剣に孫を撮っている。

演技する孫と祖父母が見えない線でつながっているようだ。

「一番笑わない世代」と言われる高齢者が、園児のかわいいしぐさにニコニコしていた。

少子高齢化が叫ばれる今、高齢者が元気になるキーワードは「小さな子供」ではないかと思います。

短い時間に、100回ほどの笑顔を園児からいただきました。来週の運動会も楽しみです。

私は200回の笑顔になってきたいと思います。

   北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.9.30付け

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男も女も若くなった

本を読んでいたら「60歳の老爺」という文章が出てきて、“ちょっと”と思った。

読み進むと「もう一人、57歳の老婆」とあり、「57歳ではさすがに買い物も間に合わず」と続いた。

思わず“何ぃ?”と、いつ書かれた本か確かめると1954年だった。

私が小学生のころの祖父母は、老爺と老婆のイメージが残っている。

今はどうだろうか?知人は72歳で再婚し、80歳のS氏は現役で働いている。

地域で貢献している諸先輩に老爺・老婆のイメージはみじんもない。

今は男性も女性も若くなっている。

人生の総仕上げの時期を快適にするには、60代をどう過ごすかが決め手だと言う人もいる。

諸先輩に学び精進していこうと考えている。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.8.30付け

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健康の秘訣は読む、かむ、歩く

数年前から「読む、かむ、歩く」の健康法を実践している。

読書は月3冊を目標に立てている。

本を読むと、数百年前の人とも“対話”できるし、あらゆる世界へ遊びに行けるから面白い。

知識や知恵の備蓄ができる脳の健康法だと思っている。

また「病気治しは癖直し」というが、よくかみ、ゆっくり食べることが肝要と思っている。

はや食いの癖が直り体調も良くなっている。

さらに「老いは足から」と教えられ、数年前から1時間のウォーキングで快い汗を流している。

“まぁ元気”なほうだと思っている。

この「読む、かむ、歩く」に加えて“ちょっと”おしゃれして、夫婦でランチを楽しむことも健康の秘訣になっているのかもしれない。

  北國新聞、地鳴り欄、朝刊掲載、23.8.6付け

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